個人的にソフトルアーがけっこう好きです。
ハードルアーと比べて、リグひとつで性格がガラッと変わるところや、横の動き、縦の動きなど、いろいろな誘い方ができることなど、実は奥が深いと思っています。
今回は、そんなソフトルアーについて、対シーバスに絞って掘り下げてみようと思います。

ソフトルアーの良いところ
ソフトルアーにはハードルアーにはないメリットがたくさんあります。どちらが優れているということではなく、状況に応じて使い分けることが大切です。
①ナチュラルに攻められる
素材が柔らかいことから、より生物に近いのか、総じて魚に警戒心を与えにくいです。釣り人が攻めすぎて魚が警戒心を強めてルアーに食いつかなくなることを「スレる」と表現しますが、ソフトルアーは魚をスレさせにくいです。そのため、ハードルアーで釣ることが主なシーバスフィッシングにおいては、ハードルアーを投げた後に食わせる手段としてソフトルアーが使われることが多いです。
ブラックバス相手だと、大きめのシャッドテールでブリブリ動かして魚を寄せてくるという使われ方もしますが、シーバス相手でそのような使い方をするのは稀でしょう。どちらかといえば、ピンテールまたは小ぶりなシャッドテールワームといった、微振動でナチュラルに誘う考え方ですね。
②アピール力の調整やレンジコントロールが容易
テール形状をピンテールやシャッドテールなど使い分けることでアピール~ナチュラルまで容易に使い分けることができます。また、ジグヘッドの重さを使い分けることでレンジコントロールも簡単にできます。シーバスの場合は5~14グラム程度が中心に使われることが多いですね。
③ランディングが楽になる
ハードルアーはだいたいトリプルフックが2つ~3つ付いていますが、ソフトルアーはだいたいジグヘッド単体で使うので、フックポイントが1つとなります。そのため、例えばネットランディングする際に、魚体が入ってないのにルアーのフックだけ引っかかってしまうといったミスが起きません。また、ウェーディング等でハンドランディングする際も、手にフックが刺さるといった事故が起きないため、総じてランディングが容易になります。
ただし、フッキング率についてはポイントの多いハードルアーのほうが有利といえるでしょう。その分、掛かってしまえばバレにくいのはソルトルアーになります。
④壊れにくく、根掛かりにくい
プニプニなソフトルアーですから、ハードルアーと違って割れることがありません。そのため、橋脚などのストラクチャーにぶつけることを恐れることなく、タイトに攻められるようになります。また、フックポイントがボトムに対して上を向いているというジグヘッドの特性上、根掛かりにくいです。
ただし、繰り返し釣るうちに破れたりするし、保管状態が悪いと溶けたり曲がりクセがつくこともあります。根掛かりなどでロストをしなければ、ハードルアーのほうが長持ちです。
主なメソッド
「メソッド(method)」は日本語にすると「方法」です。ルアーフィッシングにおいては、「食わせるための誘い方」を表します。
現在主流となっている、シーバスフィッシングにおけるワーミングメソッドは2つあります。前提として、シーバスフィッシングにおいてはジグヘッドリグ以外ほぼ使われていないため、ジグヘッドリグによる釣り方とします。
①タダ巻き(ストレートリトリーブ)
アクションをつけないで一定速度で巻いてくるだけです。特にナイトゲームでは基本となるメソッドですね。
ピンテール系のワームだと、一見アクションをしていないように見えますが、微細な振動がナチュラルにシーバスを誘い、活性が低かったり、スレている魚であっても食わせることができます。また、リフト&フォールを織り交ぜることで色々なレンジを攻めたり、目先を変えることでバイトを引き出すこともできます。
河川など流れのあるところでは、流れに漂わせることでバイトを得られることがあります。ポイントにもよりますが、投げてすぐ巻くのではなく、数秒待ってから巻き始めることをおススメします。
②シャクリ(ダート、ワインド)
専用のジグヘッドもしくは弾丸みたいな形をしたジグヘッドを用いて、ロッドで大きくシャクリを入れることで、ワームを左右に大きくスライドさせて誘うメソッドです。「ダート」または「ワインド」と表現されます。
魚がついつい追いかけたくなる動きを演出して、リアクション的に食わせることができます。水深のある岸壁際など、デイゲームでは積極的にベイトを追わずに障害物に定位している魚も多く、そこを直撃してリアクションで食わせる力があります。
もともとはデイゲームで岸壁際などに定位しているシーバスを釣るためのメソッドとして登場しました。それが様々な魚種に有効であることが確認され、特にタチウオ釣りにおいてはメインメソッドとなっています。大阪に住んでいた頃、70くらいのおばあちゃんが安物の竿とリールを使ってワインドでいっぱいタチウオを釣っていたのは衝撃的だったなぁ。
ナイトゲームにおいてもただ巻きでバイトがなかったときはダートを試してみると良いでしょう。動きが激しい分、魚がスレるのを促進してしまうので、初めからダートで釣ることはおススメしません。
おすすめソフトルアー7選
実際のところはシーバス用と謳っているソフトルアーでなくても釣れますが、範囲を広げ過ぎると収拾がつかないので、シーバス用もしくはシーバスに使われるワームの中からいくつかピックアップしてみます。
①ミドルアッパー

メーカー:ダイワ
サイズ | 入り数 | 価格 | 1個あたりの価格 |
2.5インチ | 8 | 700 | 87.5 |
3.5インチ | 6 | 700 | 116 |
4.2インチ | 5 | 700 | 140 |
職業釣り師として人気を博す小沼正弥さんが監修した、シーバス用ソフトルアーです。正面から見ると逆三角形で、平らな面を上にするとただ巻き向けのセッティング、平らな面を下にするとダート向けのセッティングとなります。
シーバス用ソフトルアーのなかでもソフトな素材で、耐久性にはやや難がありますが、それを補ってあまりある食わせ力が魅力です。小規模なポイントにおいて、サクッと釣りたいときは初めからこれを投げることもあります。それは結局ポイントを見切るためのルアーとして、最後にはミドルアッパーを投げるので、初めから投げれば時短になるからですw
私がここまで信頼する理由は、ハードルアーを投げまくった後でミドルアッパーを投げたら食ってきたということが度々あったからです。いまや私のシーバスフィッシングには欠かせないルアーになっています。
3.5インチを軸として、釣れる魚やベイトのサイズが小さければ2.7インチも使います。4.2インチは入り数も少なくなるし、3.5インチとの差を感じにくいので基本使いませんが、10グラム以上の重ため(大きめ)のジグヘッドに合わせるのなら4.2インチがベストマッチでしょう。



②R-32

メーカー:ヒルクライム
サイズ | 入り数 | 価格 | 1個あたりの価格 |
2.2インチ | 8 | 680 | 85 |
3.2インチ | 6 | 700 | 116 |
4インチ | 5 | 720 | 144 |
元祖シーバス用ソフトルアー。これが出るまでもシーバス釣りでソフトルアーは使われていましたが、シーバス用と謳ったソフトルアーはこれが初めてだったと思います。対シーバスソフトルアーの威力を世間に知らしめた逸品で、その後にシーバス用ソフトルアーがいくつか発売されましたが、いまでもとにかく釣れると信望している人が多いルアーです。
確かな食わせ力がありながら、固めの素材で耐久力があるのが良いですね。価格も高くありませんし、シーバスやるのならひとつは持っておきたいソフトルアーです。
豆知識として、この「R-32」のモデルとなったブラックバス向けソフトルアーが存在します。それがギャンブラーの「スタッド」です。アメリカの会社のルアーで、かなり昔からあるソフトルアーなのです。これをシーバスに使ったところ、あまりによく釣れるので、シーバス用に作り直したのが「R-32」だそうです。たしかに似ている。

③アルカリ

メーカー:コアマン
サイズ | 入り数 | 価格 | 1個あたりの価格 |
60ミリ | 8 | 900 | 112.5 |
70ミリ | 8 | 900 | 112.5 |
83ミリ | 6 | 900 | 150 |
関西圏に多くのファンを持つ「コアマン」より発売されているソフトルアー。そのままセットして、ただ巻きでも使えるし、上下反対にしてダートさせても使える汎用性が素敵。「コアマン」はデイシーバスゲームを強く推しているメーカーでもあり、デイゲームでの実績も抜群です。
素材感は固めで耐久力もそこそこあります。コアマンがある神戸周辺では、たぶん、「アルカリ」がダントツ人気でしょう。神戸周辺の沖堤防で、デイゲームでガンガン釣りまくる動画を見せられると「アルカリ」が最強なんじゃないかって思っちゃいます。
④グラスミノー

メーカー:エコギア(マルキュー)
サイズ | 入り数 | 価格 | 1個あたりの価格 |
SS 28ミリ | 15 | 550 | 36.6 |
S 42ミリ | 12 | 550 | 45.8 |
M 64ミリ | 10 | 650 | 65 |
L 85ミリ | 8 | 650 | 81.25 |
1990年代から発売されている、超定番にして超優秀なソフトルアーです。シーバスというよりは全魚種向けといった感じで、シーバスに限らないのであればソルトにおいては最強ソフトルアーだと信じています。シーバスに使うなら、MまたはLサイズが良いです。
私がこのソフトルアーで釣った魚は、シーバス、ヒラメ、マゴチ、カサゴ、ソイ、メバル、ムツ、カマス、メッキ、ブラックバス、ブルーギル、、、とにかく中2で釣りを始めた当初からお世話になりまくりのソフトルアーなんですよね。友人はこれのSSサイズで31センチのメバルを私の目の前で釣りました
さらに、よく釣れるのに他のソフトルアーと比べてリーズナブルです。耐久力もそこそこあるし、私の中ではソフトルアー界の「ラパラCD」とも言うべき、お守り的なルアーになっています。昨今、ソフトルアーも高くなってきていますが、グラスミノーは今でも抜群のコストパフォーマンスを誇っています。



⑤バクリーフィッシュ

メーカー:マドネスジャパン
サイズ | 入り数 | 価格 | 1個あたりの価格 |
62ミリ | 6 | 638 | 106.3 |
90ミリ | 5 | 726 | 145.2 |
「ミドルアッパー」と同じく断面三角形ソフトルアーです。相違点とすれば、こっちは深めのリブが入っているのと、さらに素材が柔らかいことです。ホントにフニャフニャですけど、よく釣れます。
「ミドルアッパー」と同じ小沼正弥氏が監修したソフトルアーなのですが、それゆえに形状も特性も似ているので、どちらか片方を持っていればよいかなという感じです。深読みすれば、この形状は小沼氏にとってシーバス向けソフトルアーの最終形ともいえるものなのかもしれません。だから別メーカーで監修しながら似通ったルアーになったのだと、そのようにとらえることもできます。
実は「ミドルアッパー」を使う以前は「バクリーフィッシュ」を使っていました。私にソフトルアーでシーバスが良く釣れるということを教えてくれたルアーです。今はコスパがより良い「ミドルアッパー」を常用していますけれども。


⑥BRフィッシュ

メーカー:DUO(デュオ)
サイズ | 入り数 | 価格 | 1個あたりの価格 |
3.3インチ | 7 | 748 | 106.8 |
国内老舗メーカーの「DUO」より、待望のシーバス向けソフトルアーが登場しました。スタンダードな逆三角形形状ですが、「ミドルアッパー」や「アルカリ」と比べて、テールが細くなっています。
この形状なので上下逆付けでダートもいける仕様にもなっています。 非常に無難でそりゃ釣れるでしょって形をしていますが、後発ならではの工夫が欲しかったという気もします。「DUO」らしく価格が手頃なのはグッド。同じような形なのにコスパで劣っていたら定番ソフトルアーの牙城は崩せないですからね。


⑦デスアダー

メーカー:デプス
サイズ | 入り数 | 価格 | 1個あたりの価格 |
3インチ/75ミリ | 10 | 700 | 70 |
4インチ/105ミリ | 8 | 700 | 87.5 |
5インチ/125ミリ | 8 | 700 | 87.5 |
6インチ/155ミリ | 6 | 700 | 116.6 |
8インチ/205ミリ | 4 | 850 | 212.5 |
元々はブラックバス向けのソフトルアーとして発売されたものですが、良く釣れるのでヒラメやシーバスにも使われるようになったルアーです。シーバスに使うなら3インチ~5インチですね。
リブ(溝)の入り方やピンテールの感じなど、「R-32」に近いものがありますが、こちらは若干縦長なボディをしています。 8インチや6インチといったジャンボサイズがあることも特徴のひとつですが、シーバスに手頃な4インチや3インチサイズは、1個あたり100円を下回るのでコスパも良いです。
カラーがバス向け中心になりますが、ソリッドホワイトやチャートリュースなど、シーバスナイトゲームでも使いやすそうなカラーもありますので心配なし。バスフィッシングもやるよって人にとっては、両方の釣りで高い釣獲力を発揮してくれる“神ワーム”といえるでしょう。


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