やっぱりパックロッドって、どんどんメジャーになってきていますよね。
どちらかといえば、あんまりパックロッドを出すイメージのなかったシマノも、2019年になってスコーピオンに続いて2つめのニューパックロッドですからね。
もっと盛り上がれパックロッド界。
なんだか当ブログが流行を先取りしていたみたいで嬉しいですね(勘違い)
今回ご紹介するのは、釣り具大手のシマノより登場の「フリーゲームXT」です。
スペック
品番 | 全長 (m) |
継数 (本) |
仕舞寸法 (cm) |
自重 (g) |
先径 (mm) |
キャスト ウェイト(g) |
錘負荷 (号) |
適合エギ サイズ(号) |
適合ライン PE(号) |
適合ライン ナイロン(lb) |
リールシート位置 (mm) |
カーボン 含有率(%) |
本体価格 (円) |
商品コード |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S86ML | 2.59 | 5 | 56.4 | 115 | 1.6 | 6~28 | 8~20 | 2~3.5 | 0.4~1.2 | 5~14 | 345※U | 93.7 | 24,500 | 39355 5 |
S86M | 2.59 | 5 | 56.4 | 125 | 1.6 | 8~35 | 10~25 | 2.5~4 | 0.5~1.5 | 6~16 | 345※U | 93.9 | 25,000 | 39356 2 |
S96ML | 2.90 | 6 | 54.6 | 155 | 1.7 | 6~32 | 8~25 | 2~3.5 | 0.4~1.2 | 5~14 | 406※U | 94.7 | 25,500 | 39357 9 |
S96M | 2.90 | 6 | 54.6 | 160 | 1.8 | 8~40 | 10~30 | – | 0.5~1.5 | 6~16 | 406※U | 94.9 | 26,000 | 39358 6 |
S100MH | 3.05 | 6 | 57.1 | 195 | 1.9 | 10~56 | 12~35 | – | 0.6~2 | 8~20 | 421※U | 95.2 | 27,000 | 39359 3 |
S106M | 3.20 | 6 | 59.6 | 205 | 1.9 | 8~45 | 10~30 | – | 0.5~1.5 | 6~16 | 436※U | 95.9 | 27,000 | 39360 9 |
全部で6機種と、ソルトルアー向けの用途を絞ったパックロッドとしては十分です。
他のシリーズと違うのは、1番短いものでも8.6フィート(2.59メートル)という、ロングレングス中心のラインナップであることですね。それでありながら、5~6ピースを採用することでパックロッドらしく仕舞寸法を短めにおさえています。
マルチピースで6ピースというのは珍しいですね。過去作の代表では、メガバスのヒューガマルチピースやテイルウォークのアウトバックがありましたが、9フィート超えのものはここ数年振り返っても初めてだと思います。
割と保守的な印象のあるシマノにしては珍しく冒険してきたなという印象ですね。
デザインと装備
普及モデルですからね、黒系を中心としたよくも悪くも無難なデザインです。
リールシートは同社お得意の「CI4+」が使われた軽量なものです。
軽量なのはいいんですけど、ロッドは言うなれば長い棒の端っこを持つ形になるので、手元を軽量化しても体感的には軽くなったと感じにくいです。
体感的に軽くするには、グリップエンドに重り(バランサー)をつけて前後バランスをとることが挙げられます。最近のロッドはあまりそういうことをやっていないみたいですが、フィッシュマンのロッドなんかはそういうことをやっていて、カタログスペック上が重たくても実際に持つとめちゃくちゃ軽く感じるから不思議ですよね。
ガイドはこの価格帯では普通といえるステンレスフレームSICリングです。
フレームは少しでも軽いほうがいいですね。ロッドの軽量化はグリップ部分よりもブランク部分のほうが恩恵が大きいので。
とはいえ、ほぼすべての釣りにおいてステンレスフレームSICリングで十分だと思います。そんなに繊細な釣りをするロッドでもないしね。
ちなみに、より上位素材となるチタンはステンレスよりも錆びに強くて軽いという特徴があります。最近登場したカーボン素材も同様です。
しかし、強度的にはステンレス素材が一番有利です。
チタンのほうが固いのですが、固いゆえに折れることがあり、金属としての柔軟性も踏まえてステンレスが最も破損しにくいというメリットがあります。
ブランクは「ハイパワーX」で武装しています。
今ではメーカーを問わずすっかりおなじみになった斜め方向にカーボンを巻く、または締め上げる製法ですね。
この製法なんですけど、シマノがだいぶ昔からやっていたような気がします。少なくとも2000年代前半にはやっていたと思うんですが、それは違う製法なんですかね。
継ぎ数の多いパックロッドにおいて重要な機能のひとつである「継ぎ」。フリーゲームXTでは並継が採用されています。
一昔前までは、継ぎ方といえばインロウ継ぎが1番という風潮でしたが、近頃はその限りではないように思います。インロウ継ぎはパワーロスが少ないというメリットがある反面、ブランク内に芯を入れて継ぐので重たくなるというデメリットがあります。
ティップ側まで継ぎ部の発生するパックロッドにおいて、わずかなパワーロスよりも並継にすることで軽量化を優先したものと推測します。
というか、最近のパックロッドは並継のほうが多いと思います。
前述の通り、ブランクが重くなるのは体感重量やブランクのだるさに直結するので、マルチピースの設計上のデメリットを低減する意味でも、並継のほうが理にかなっているのでしょうね。
付属のケース
ええ、ふつーのケースですね。丸型で端っこが開閉するバズーカタイプ。
5~6ピースなので長さはコンパクトでも、幅は少しかさばりますからね。直径を大きくとれるバズーカタイプになるのは仕方のないことでしょう。
ティップ側のピースはちょっと短い。なぜ?
この画像が何を示しているのか分かりますか?
一番ティップ側のピースを他よりも少し短くすることで、運搬時の破損を低減したとのことなんです。
ふむ、なるほど。言わんとすることは分かるよ。
何かにぶつけたときに一番破損しやすいのは、一番細いティップ部だから短くすることで突出しないようにするってことなんですね。
だけど、、、そんなに効果ありますかね?
運搬時のティップ破損は、マルチピースではそんなにないような印象です。テレスコピックはそこそこある印象ですけどね。
束ねるときに少しティップ側が引っ込むように束ねれば事足りる気もする。。。
まぁ、かなり突き詰められてきたと思う昨今の釣具たち。
どうやって付加価値をつけるか勝負っていうのもありますからね。
効果のほどは置いておいて、こういうところまで考えてくれたシマノの開発陣に賛辞を送りたいと思います。
以上、シマノより新登場の「フリーゲームXT」でした。
1万円を下回るエントリーロッドとして好評の「フリーゲーム」に「XT」がつくことで、まったく別のパックロッドに進化しました。
仕舞寸法の都合から、どうしてもショートレングスが多いパックロッドにおいて、8.6フィート以上のレングスという攻めたラインナップがたまりませんね。
ロングなパックロッドを探していたという方にとって福音となるシリーズかもしれません。
コメント