もともと金属素材が常識だったリールに近年大きな変革が起きたのは、ザイオンやCI4といったカーボン強化樹脂が使われるようになったこと。
これによって低コストで軽量なリールをつくることができるようになりました。
そして、その波はロッドのガイドにも及ぶことに。
ダイワがカーボン製フレームを使ったAGS(エアガイドシステム)なるものを開発し、長らく富士工業の独占市場であったガイド業界に切り込んでいきました。
このAGSですが、ダイワだけでなく、アピアなど一部のメーカーにも卸されています。
しかし、国内のガイド界をリードしてきた富士工業は黙っていませんでした。
この夏、カーボン強化樹脂を用いたニューフレームを世に送り出したのです。
どんなガイドなの?
カーボン強化樹脂を用いたことにより、強度と軽さを両立したガイドです。
金属系と比べて
- 軽い
- 錆びない
- 安い
というメリットがあります。
これまでの最軽量フレームといえばチタンでした。あれはかなり高い素材なので、コスト面で優位です。
ステンレスと比べた場合はコスト面での優位性はありませんが、軽量なカーボン強化樹脂は重量面で優位です。
強度面ではチタンやステンレスのほうが優位なので、あまり負担のかからない釣り物、または部位に使うのが良さそうですね。
まずは磯上物用のガイドがデビュー
今回、富士工業から発表されたのは、C-IMとTC-IMの2種類です。
C-IMはフレームすべてがカーボン強化樹脂で出来ています。
TC-IMはカーボン強化樹脂とチタンフレームのハイブリッド型です。
共通しているのは、メジナなどの磯上物用ロッドに搭載することを想定したガイドで、同社の糸絡み防止形状である傾斜ガイド(IMガイド)になっています。
型番でいうと、「C」が素材を表していて、「IM」が形を表しています。
「C」…カーボン強化樹脂
「T」…チタン
「IM」…IMガイド
このカーボン強化樹脂を用いたガイドおよびハイブリッドガイドは世界初だそうです。
※ダイワのAGSは、カーボン強化樹脂ではなくカーボンそのものですので。
早速ルアーロッドにも搭載されているー!
とにかく新しいもの好きなメーカーがありますよね。やたらとチャレンジャーな。
そう、みんな大好きアブガルシア。
早速同社のハイエンドなライトソルトウォーターロッドであるエラディケーターシリーズに、C-IMを搭載した特別モデルが登場しています。
ガイドの軽量化って、他のパーツが軽量化されるより恩恵が大きいんですよね。ブランクに直でくっついているものなので、軽いほうがより反発力とか、ブランクの性能を活かせるんです。
とくに繊細なロッドほど、取り回しや感度など、恩恵を感じることが大きいです。
これは、まずエラディケーターから搭載されていることを考えても言えますね。
ちなみに、エラディケーターのページではCMG(カーボンマイクロガイドシステム)と銘打たれていますが、富士工業のサイトにはそのような記載はありません。
公式のものなのか、アブ独自の名称なのか、どっちなんでしょうか。
これからの展開に期待!
恐らく、通常のガイドフレームにカーボン強化樹脂を使うのは、形からくる強度不足で厳しいのかなと思っています。
振出用のガイドとしてはピッタリなので、これからこのガイドを搭載したテレスコピックロッドが出てくることに期待したいです。
また、ジョイントタイプのパックロッドでも、ティップ側はハイフレームである必要がないので、エラディケーターのように振出用でも固定ガイドとして採用することもありだと思います。
ダイワのAGSは、採用しているメーカーも機種も限られていますが、広く使われている富士工業のガイドなら多くのメーカーで採用されることが予想できます。
パックロッドって、ワンピースやツーピースのロッドよりもどうしても重たくなってしまいますし、このガイドの登場はけっこう大きな意味があるんじゃないかなと思っています。
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