いまや当ブログで最もPV数が多い【ダイワVSシマノ】スピニングリール対決という記事。パックロッド特化型ブログなんて言っておきながら、やっぱりリールは強いですね。パックロッドよりもずっと使用する人が多いから、そりゃそうなんですけど。
実はあの記事、専用機をランキングに入れていないんです。それをするとテーマがぶれてしまうので、汎用モデルだけで比較しています。というわけで、この記事は専用機だけに絞って比較してみることにしました。
はじめに
分かりやすいように「専用機」という表現をしていますが、それだけにしか使えないというわけではありません。
もちろん、他の釣りに流用できます。本来のニュアンスでいうと「○○向け」ですね。そのターゲットや釣り方に最適化したチューニングをしているのが、今回紹介するリールたちです。リールに限らず、道具はつかってなんぼなので、縁あってここで紹介しているリールを入手したとしても、他の釣りにもどんどん使ってください。
以下、見出しのはじめに記載している方がダイワ代表で、次に記載しているのがシマノ代表となります。
《ブラックバス》スティーズ VS コンプレックスXR
ブラックバス専用機に求められることは主に
- 軽量であること
- ライトラインが使いやすいこと
- ハイギアであること
これらは、ワーミングなどのライトリグを使用することが多いバスフィッシングだから求められることです。あらゆるルアーフィッシングのなかでも、トップクラスに繊細な釣りをします。アジングのようにアンダー1グラムのルアー(リグ)を扱うことはあまりありませんが、操作がとにかく繊細で、微妙なシェイキングなどはバスフィッシング特有のものでしょう。クリアレイクだと、2ポンドのフロロカーボンラインを使っている人もいるくらいですから、本当に繊細。安定したドラグ性能も欲しいですね。
ハイギアが好ましいのは、ピンポイントで出なかったら素早く回収して次のキャストに移れることが重視されるからです。正直、そこまでこだわるのはトーナメンターやメディアプロなど、それでお金をもらっている人くらいで良いと思いますが。
繊細と言いましたが、一方でゴツイ竿とリールでビッグベイトをぶん投げる釣り方まであるのだから、色々な釣り方で楽しませてくれるフトコロの深さは他魚種の比ではありませんよね、ブラックバスって。
デザイン
《スティーズ》

《コンプレックス》

スペック
項目 | スティーズtype-Ⅰ Hi-SPEED | コンプレックスXR C2000 F4 HG |
ギア比 | 5.6 | 6.1 |
巻取長 | 74cm | 82cm |
自重 | 168g | 155g |
最大ドラグ力 | 2kg | 3kg |
糸巻量/ナイロン | – | 4lb-110m |
糸巻量/フロロカーボン | 3lb-80m | 3lb-130m |
糸巻量/PE | – | 0.8号-110m |
ベアリング | ボール12/ローラー1 | ボール9/ローラー1 |
メーカー希望価格 | 53500円 | 36700円 |
搭載テクノロジー | ATD エアローター ザイオンボディ 薄肉アルミスプール アルミマシンカットハンドル リニアシャフト ロングキャストABS クロスラップ エアベール ツイストバスターⅡ ラインローラーBB オイルボールベアリングチューン ローターブレーキ リアルインフィニットストッパー | HAGANEギア マイクロモジュールギアⅡ Xシップ サイレントドライブ マグナムライトローター Xプロテクト Gフリーボディ AR-Cスプール ロングストロークスプール CI4+ リジットサポートドラグ ラピッドファイアドラグ S AR-B ワンピースベール |
コメント
価格に開きがありますが、これが両社のブラックバス専用機のなかで最もハイエンドなモデルです。
「スティーズ」のほうが、よりガチガチにブラックバスの、しかもライトラインを使ったフィネスな釣りに特化している印象です。3lbが80mしか巻けない、ドラグが2Kgまでって、トラウトのエリアフィッシング並のライトっぷりですよ。50アップが掛かったら、ドラグをフル活用して”いなす“イメージですね。
「コンプレックスXR」はもう少しマイルド。それにこっちのほうが安いけど軽い。マグナムライトローターという、巻きはじめの軽さにこだわった機構を搭載しており、ちょこちょこラインスラッグを回収する必要があるライトリグにおいては快適といえるでしょう。また、ラピッドファイアドラグという、ちょっとドラグノブを操作するだけでドラグ力が大きく変わる機構もあり、このおかげでライトライン使用時に魚が不意にツッコんだときなどでも、素早く調整ができ、ラインブレイクを低減できます。
両方とも間違いない性能を有していますが、「スティーズ」は淡水専用で「コンプレックスXR」は海水OKなんです。ブラックバス相手なら、よっぽどのこだわりがない限り、ハイエンドなものは必要ないと考えること、海水でも使える汎用性などを考慮して、「コンプレックスXR」がオススメですね。
「スティーズ」は発売してから年月も経っていますし、来年あたりにモノコックボディを搭載した新型が登場することを期待したいです。


その他の専用機
ダイワは「タトゥーラ」というミドルロークラスのバス専用機があります。ベイトリールでは人気の「タトゥーラ」を冠したモデルで、真っ黒ボディが特徴的です。


《エリアトラウト》プレッソ VS カーディフCI4+
エリアトラウト専用機に求められることは主に
- 小型・軽量であること
- ライトラインが使いやすいこと
- ノーマル~ローギアであること
この釣りも扱うルアーが軽量で繊細な釣りであることから、ブラックバス専用機と似た性質を持っていますが、もう少し小型のリールが好まれます(1000~2000番)。しかし、ゆっくりと巻いて誘うことが多いため、ギアはノーマル~ローギアが適しています。
渓流であれば、ミノーのトゥイッチングなど、早い釣りで誘うことが多いため、ハイギアが適しているのですが、そっちのジャンルは両社とも専用機がありません。ベイトフィネスが流行っているし、わざわざ専用機を出すほどの需要もないってことなのでしょう。
デザイン
《プレッソ》

《カーディフCI4+》

スペック
項目 | プレッソ LT1000S-P | カーディフCI4+ 1000S |
ギア比 | 4.9 | 5 |
巻取長 | 61cm | 66cm |
自重 | 145g | 170g |
最大ドラグ力 | 5kg | 3kg |
糸巻量/ナイロン | 2.5lb-100m | 4lb-90m |
糸巻量/フロロカーボン | – | 4lb-75m |
糸巻量/PE | 0.3号-200m | 0.6号-140m |
ベアリング | ボール12/ローラー1 | ボール9/ローラー1 |
メーカー希望価格 | 50600円 | 37700円 |
搭載テクノロジー | ザイオン製モノコックボディ オイルボールベアリング 超々ジュラルミン製MCタフデジギア ATD 薄肉軽量LC-ABSスプール エアローター(ザイオン製) | HAGANEギア Xシップ マグナムライトローター Xプロテクト コアプロテクト Gフリーボディ AR-Cスプール リジットサポートドラグ S A-RB ワンピースベール エリアドラグ コルクノブ |
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「プレッソ」「カーディフ」、両社の専用ブランドの名称を冠したリールとなっています。「カーディフ」という名称は、いつからかは分かりませんが、筆者が釣りを始めた1999年頃からありました。対するダイワは「シルバークリーク」ですね。「プレッソ」はエリアフィッシング向けのアイテムに冠する名称で、ネイティブフィールド向けは「シルバークリーク」と使い分けられています。
カーディフは3万円代という希望価格ながら、充実した機能を搭載しています。ただ、発売から少し経っているので来年のモデルチェンジに期待したいです。他魚種専用機の「ソアレ」や「セフィア」などは末尾にXRがついた最新モデルが2022年に新登場していますので。
プレッソは最新世代で、目玉はなんといっても「モノコックボディ」でしょう。ダイワ、シマノにアブも含めて、他社の技術を名称を変えて搭載することが多いリールたち。そんななかでオンリーワンな技術は「これじゃないと感」がありますよね。ダイワだと「モノコックボディ」と「マグシールド」が代表です。剛性が要求される釣りではないので、「モノコックボディ」の必須度でいえばさほどでもないんですけど、カッチリボディが生み出すシルキーな巻き心地がポイント。リーリング中のわずかな違和感も逃さず感知できます。




その他の専用機
ダイワには「イプリミ」という、下位機種があります。エリアフィッシングは、人よりも多く釣ろうと突き詰めていけば難しい釣りですが、釣りあげること事体は難しい釣りではなく、安価なタックルでも成り立ちます。そういう意味では、上位機種は多くの人にとって過剰性能となりがちなので、これくらいがちょうど良いとも言えますね。


《アジ・メバル》月下美人MX VS ソアレXR
この専用機に釣りに求められることは、
- 小型・軽量であること
- ライトラインが使いやすいこと
- ギアは基本ローギア
- 海水に強い(サビ対策がされている)
実はエリアトラウトと似たような性能をしているアジ・メバル専用機です。しかし、エリアトラウトと異なるのは海水でのゲームとなるので、サビ対策が必須であるところです。また、不意に大型のシーバスやクロダイなど、他魚種が掛かることもあるので、ラインを切られないためにドラグ性能にはこだわりたいところです。
デザイン
《月下美人MX》


スペック
項目 | 月下美人MX LT2000S-P | ソアレXR C2000SSPG |
ギア比 | 4.8 | 4.6 |
巻取長 | 60cm | 62cm |
自重 | 190g | 155g |
最大ドラグ力 | 5kg | 3kg |
糸巻量/ナイロン | 4lb-100m | 4lb-90m |
糸巻量/フロロカーボン | – | 4lb-75m |
糸巻量/PE | 0.4号-200m | 0.6号-140m |
ベアリング | ボール7/ローラー1 | ボール9/ローラー1 |
メーカー希望価格 | 22000円 | 35900円 |
搭載テクノロジー | マグシールド エアローター(DS4製) ATD タフデジギア アルミマシンカットハンドル パーフェクトラインストッパー LC-ABSスプール メインシャフトBB | HAGANEギア マイクロモジュールギアⅡ Xシップ サイレントドライブ マグナムライトローター Xプロテクト Gフリーボディ AR-Cスプール ロングストロークスプール リジットサポートドラグ S A-RB ワンピースベール ハイレスポンスドラグ |
コメント
バスやトラウトではダイワのほうがハイエンドでしたが、一転してシマノのほうがハイエンド機種となっています。
「ソアレXR」は2022年に新登場のリールで、最新テクノロジーが詰まっており、価格はそこそこですが納得のスペックとなっています。シマノの主要テクノロジーをきちっと搭載していますね。155gという軽さはライトゲームにおいて大事な要素です。
「月下美人MX」はお手頃価格で十分な性能を持っています。アンダー200gと軽量に仕上がっており、「ソアレXR」との性能差も価格差を踏まえれば納得です。
海水での釣りは塩によって、淡水での釣りと比べものにならないくらいリールが消耗しますので、耐久性も大事な要素となります。両社とも内部への海水の侵入の対策をしていますが、磁力でくっつく液体を利用して内部への海水の侵入を防ぐ「マグシールド」と、撥水処理とラビリンス構造で海水の侵入を防ぐ「Xプロテクト」と、その構造は異なります。完全にフタをするのは「マグシールド」ですが、「Xプロテクト」は非接触という強みがあり、わずかでも回転を妨げる要素を排除しつつ、防水構造を実現しています。
どちらが優れているかは人それぞれ意見があるかと思います。「マグシールド」は液体を磁力で留めているため、分解すると漏れてしまうという弱点があります。個人的に防水性は「マグシールド」だと思いますが、自分で分解したい人は「Xプロテクト」一択となります。




その他の専用機
ダイワには、「月下美人X」というエントリー機があります。専用機となると、そこそこの価格がするイメージがありますが、これはそれをくつがえすリーズナブル設定。もともと手軽さが売りなソルトでのライトゲームなので、これくらいのリールで気軽に楽しむというのも良いですね。


シマノには、「ソアレBB」というミドルロー機が2022年12月に登場します。これは現行のアルテグラをベースとしてチューンした機種で、多くのユーザーを満足させられる性能を持っています。これからアジングやメバリングを始める人には圧倒的にオススメです。


「ソアレBB」は発売前なので、ベースモデルのアルテグラを載せておきます。
《エギング》エメラルダスエア VS セフィアXR
エギング専用機に求められることは
- 細めのPEラインを扱いやすいこと
- 軽量であること
- ハイギアであること
- 海水に強い(サビ対策がされている)
エギングは能動的にアクションをつけていく釣りです。最近はショアティップランなる静の釣りも登場しましたが、イメージはビシバシシャクる動の釣りですよね。だから長時間ロッドアクションをつけても疲れにくいように軽量なリールが求められます。さらに、ロッドで伝えたアクションを確実にルアーに届けるためにPEラインが必須。
一方でロングキャストをして広く探るので、ラインはそこそこ巻けるように、トラウトやアジ・メバルと比べて大きめのリール(2500~3000番)が好ましいです。
それとダブルハンドルが今も生き残っているのがエギング専用機の特徴です。主にフォール中などはハンドルから手を離すことが多いですが、その際にハンドルが自重で勝手に半回転することがあります。そのとき、少しですがラインが不自然な動きをします。ダブルハンドルなら自重が偏っていないために勝手に半回転することがなく、その点を好んで使う方もいるみたいです。いや、こだわりってすごいよね。
デザイン
《エメラルダスエア》

《セフィアXR》

スペック
項目 | エメラルダスエア FC LT2500S | セフィアXR C3000S |
ギア比 | 5.1 | 5.3 |
巻取長 | 72cm | 78cm |
自重 | 160g | 175g |
最大ドラグ力 | 5kg | 9kg |
糸巻量/ナイロン | 6lb-100m | – |
糸巻量/フロロカーボン | – | – |
糸巻量/PE | 0.8号-190m | 0.8号-150m |
ベアリング | ボール12/ローラー1 | ボール9/ローラー1 |
メーカー希望価格 | 50600円 | 37300円 |
搭載テクノロジー | ザイオン製モノコックボディ マグシールド 超々ジュラルミン製MCタフデジギア ATD LC-ABSスプール エアローター(ザイオン製) パーフェクトラインストッパー ストッパーレスボディ | HAGANEギア マイクロモジュールギアⅡ Xシップ サイレントドライブ マグナムライトローター Xプロテクト Gフリーボディ AR-Cスプール ロングストロークスプール リジットサポートドラグ S A-RB ワンピースベール ラピッドファイアドラグ |
コメント
「エメラルダスエア」は、エアとついているだけあって160gととても軽量に仕上がっています。そのほか機能的にも価格相応の高級機ですが、やっぱり目玉は「ザイオン製モノコックボディ」ですね。「モノコックボディ」と「マグシールド」は、何かと名称を変えて似たような機能を搭載するリール界において、ダイワのオリジナリティがある機能となっています。ダイワの標榜する「軽くて強い」を体現する機能です。エギング自体はそこまで強度が必要な釣りではないですが、エギングをしている最中、不意に青物の回遊に遭遇することがあります。そのとき、タックルはそのままでルアーだけエギからメタルジグに付け替えることがあるでしょう。青物の強力なランでも、「モノコックボディ」の強度があれば安心です。
ではシマノ機が強度で劣るのかといえばそんなことはありません。ギアの精度や強度という点では、ダイワよりシマノが優れているとの評価が多いです。「セフィアXR」は希望価格で30000円代のミドル機ですが、十分すぎるくらいの機能を備えています。重量では「エメラルダスエア」に一歩譲りますが、シマノの先進機能をほぼ搭載しており、特に「マグナムライトローター」が生み出す、巻き始めの軽さは繊細な一面も持ち合わせるエギングにおいて、大きなアドバンテージとなります。
両機種とも素晴らしいリールで、エギングには十分すぎる性能です。「モノコックボディ」を使ってみたいということがなければ、「セフィアXR」で満足できることでしょう。




その他の専用機
エギングは他魚種に比べて専用機が多いです。ルアーフィッシングのなかでも独特な釣りだし、エギという独自ルアー(疑似餌)を使うので、全体的に専用感が強いジャンルなのでしょう。




下位機種は2つですが、発売から少し経っており、特にMXは2017年発売なのでちょっと型落ち感があるのが惜しいところです。このサファイアブルーのカラーリングは「エメラルダス」でしか見られないので、デザインが気に入れば良いですね。


対する「セフィア」は、レッドがキーカラー。イカのどのあたりから赤を見出したのかは謎ですが、デザインとしては良いですね。「セフィアBB」は2022年発売の新しいリールでコスパ良好です。これからエギングを始めたいって人にはぴったりのリールです。
《シーバス》モアザンLBD VS エクスセンス
シーバス専用機に求められることは
- PEラインを扱いやすいこと
- 耐久性(サビ対策含め)があること
- パワーがあること
シーバスはあらゆるソルトのターゲットのなかでも、最も色々な場所で色々なルアーで釣れる魚です。完全な淡水域である河川の上流から汽水域である河口まで、港湾部、運河、サーフ、磯、波止、とにかくバリエーションが豊富でフィールドによって求められる性能も変わります。
共通して言えるのは、最大で1メートルを超える巨大魚が釣れる可能性があるということです。そのため、ある程度のパワーが必要となりますし、ロングキャストすることも多いので、ラインキャパシティも必要になります。よって、2500~3000番くらいのリールが適当です。ストイックに大物を狙っている人はもう少し大きいリールを愛用することもありますが、汎用性があるのはこのサイズですね。
デザイン
《モアザンLBD》

《エクスセンス》

スペック
項目 | モアザン-LBD 2510PE | エクスセンス C3000M |
ギア比 | 4.9 | 5.3 |
巻取長 | 73cm | 78cm |
自重 | 255g | 180g |
最大ドラグ力 | 6kg | 9kg |
糸巻量/ナイロン | – | 8lb-130m |
糸巻量/フロロカーボン | – | 8lb-110m |
糸巻量/PE | 1号-200m | 1号-220m |
ベアリング | ボール12/ローラー1 | ボール11/ローラー1 |
メーカー希望価格 | 97000円 | 64200円 |
搭載テクノロジー | マグシールド エアローター(ザイオン製) ATD ザイオン製ボディ カーボンハイブリッドスプール アルミマシンカットハンドル アルミレバー ハイパーデジギヤ リニアシャフト ABSⅡ クロスラップ チタンエアベール ツイストバスターⅡ ラインローラーBB ローターブレーキ クイックオンオフLBシステム ワンウェイオシレーション | HAGANEギア マイクロモジュールギアⅡ Xシップ HAGANEボディ サイレントドライブ マグナムライトローター Xプロテクト Gフリーボディ AR-Cスプール ロングストロークスプール リジットサポートドラグ S A-RB ワンピースベール ラピッドファイアドラグ |
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両機種ともシーバス専用機のなかで最も高いモデルなのですが、趣向はだいぶ違います。「モアザン-LBD」はその名称が示す通り、レバーブレーキを搭載しています。
レバーブレーキとは、磯や堤防で主にメジナという魚を釣るときに使われます。「上物釣り」というジャンルですね。レバーを引くと、リールが逆転するようになり、ラインテンションがほぼなくなります。普通は一定以上の力で引っ張られたときにドラグが作動してラインが引き出されますが、この機構は任意にラインを、ほぼテンションゼロで出すことができます。引っ張り合いの最中に急に引っ張られなくなると、魚は戸惑うのか、動きを止める傾向があります。それがシーバスにも有用だってことで一部の著名なシーバスアングラーが紹介したことがきっかけで、シーバスフィッシングに使われるようになりました。
そのレバーブレーキを搭載し、スピニングリールのなかでも最高峰の性能を誇るのが「モアザン-LBD」です。レバーブレーキ自体、ルアーフィッシングにおいてはイロモノの部類で好きな人が使うくらいの普及度だと思いますが、さらに人を選ぶ超ハイエンドリールとなっています。今後、後継が発売されない可能性も高いので、あるうちにオーナーになっておくという考え方もありそうです。97000円と大変高価ですが、10年使えば1年あたり9700円です。毎年、「レガリス」レベルのリールを買い替えるようなものと思えば、良いものを長く使うのもアリかもしれません。
「エクスセンス」はレバーブレーキのない王道リールです。カーボン柄やゴールドをあしらっている「モアザン」と違って、黒とガンメタを貴重としたシンプルなデザインとなっています。ハイエンドモデルになるとデザインにも凝ることが多いですが、こういうシンプルなのも良いですね。シマノは「ステラ」を頂点として、その下のモデルは強度重視の「ツインパワーXD」と軽快さ重視の「ヴァンキッシュ」があります。「エクスセンス」はその中間のイメージで、軽くて強いを体現したリールとなっています。ボディ素材は高級機の代名詞ともいえる「マグネシウム」で、ベール素材は「チタン」となっています。機能として同じ名称でも、そこに使っている素材が違うのがハイエンドモデルです。
オリジナリティでいえばレバーブレーキを搭載した「モアザン-LBD」ですが、レバーブレーキに興味がなかったり、使わなくなってしまえば魅力ゼロです。対して「エクスセンス」は高機能な王道リールなので使わなくなることはないでしょうが、年々更新されていく新型リールとの差別ポイントがあまりないので、そのうち買い替えたくなっちゃうかもしれません。


その他の専用機
今も昔も押しも押されぬソルトルアーにおける一番人気がシーバスフィッシング。ダイワではノーマルリールの「モアザン」とレバーブレーキ搭載の廉価版「スイッチヒッター」が下位機種としてあります。


「エクスセンス」は「ソアレ」や「セフィア」と違って、XRがないんですよね。XRの前機種にあたるCI4+はあるので、来年あたりに登場すると思われます。不確かではありますが、XRを待つのもアリですね。




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