ゼスタ「ランウェイSLS S90 mobile」他にはないスーパーライトショアジギング向けパックロッド!
SLS=Super Light Shore jigging(スーパーライトショアジギング)
主にメタルジグを用いてブリやヒラマサ、カンパチなどの大型青物を岸から狙う釣りがショアジギングです。その軽量版ってことでスーパーライトショアジギング(以下、SLS)というジャンルがあります。
SLSのメリットは、大きさの割に小型ベイトを偏食することがある青物を食わせることができる点です。青物って意外とルアーを見切る魚でして、小型ベイトを偏食してしまうと、サイズが合っていない大きなルアーに一切食ってこないんですよね。そんな偏食青物に対して、小型メタルジグを使うことでベイトとルアーサイズを合わせて食わせることができるのがSLSです。
小型(軽量)ルアーを使うってことは、それに合わせてタックルもライトにする必要があります。ロッド、ルアー、ライン、ショアジギングで用いるものよりもかなりライトになります。ところが釣れる魚のサイズは、平均的には小さくなるでしょうが、マックスサイズは変わりません。そのため、パワー不足の状態で魚とバトルをしなければならない、難易度の高い釣りとも言えます。
そんなSLS向けを謳うパックロッドが、「ゼスタ」の「ランウェイSLS S90 mobile」です。
基本情報

モデル名:Runway SLS(読み:らんうぇい えすえるえす)
メーカー:ゼスタ(下田漁具)
発売年月:2021年8月
メインターゲット:青物
モバイルタイプ:ジョイント(5ピース)
スペック
規格 | S90 [mobile] |
全長 | 9’0″ft 2.74m |
仕舞 | 63 cm (5本継) |
自重 | 138g |
先径 | 1.6 mm |
元径 | 11.3 mm |
適合ジグ | 7~30g |
推奨ライン(PE/MONO) | 0.3~1.0/5~16lb |
本体価格 | ¥32,000 (税込¥35,200) |
「ラインウェイSLS」は4機種をラインアップしていますが、パックロッドなのは「S90 mobile」の1機種のみです。
ショアジギングというと、ルアーマックスが100gとかの剛竿も珍しくありませんが、これは30gとミディアムパワーのシーバスロッドくらいになっています。これくらいがSLSのスタンダードなのでしょうね。
9フィートというパックロッドとしては長めのレングスですが、5ピースにすることでモバイルレングスは63センチと、それなりにコンパクトになります。5ピースの場合、センターカット2ピースのように真ん中で分けることができないので、ラインを通したままセンターで分割して車載するといった運用がしにくいのがネックですね。継数は少ない方が強度的に安心ですが、6ピースにしても良かったのかなと思います。とはいえ、SLSはあらゆるジャンルのなかでもトップクラスに強度が求められる釣りなので、判断が難しいところですね。
あ、9フィートで4ピースはモバイルレングスが長くなりすぎてパックロッドの本質を損なってしまうのでナシで良いですね。結局、コンパクトになるという点にパックロッドの存在意義はあるわけでして。
主な仕様

ショアジギングといえば強度重視のダブルフットのガイドフレームですが、SLSは軽快さ重視のシングルフット仕様になっています。フレームはKLガイドのステンレス製、リングはトップのみ「SIC」で、ほかは「SIC-S」が使われています。価格相応、無難なセッティングですね。

グリップは細身で軽量なTVSリールシートを採用。このあたりもショアジギング向けロッドより、グッとライトに仕上げています。

ジョイントは印籠継と並継を併用。バッド~ベリーはパワーロスの少ない印籠継で、ティップ側は感度と操作性重視の並継とのことです。5ピースなので継ぎは4カ所になりますが、一番ティップ側のみ並継で、あとは印籠継ですね。印籠継の弱点は並継や逆並継と比べて重たいことが挙げられます。ロッドは手元より離れているティップ側のほうが、同じ重たさでもより重たく感じることから、この使い分け方は体感重量を軽くするという点でも理にかなっていると思います。
まとめ
ショアジギングというフレーズからは考えられないほどライトなロッドです。これがSLS、なるほどスーパーライトだなという印象です。
スーパーライトなおかげで非常に汎用性のあるスペックになっています。青物に限らず、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ(ヒラメやマゴチ)、シーバスにも快適に使うことができます。軽量なメタルジグをより遠くに飛ばし、快適に操作するため、ブランクは細身で反発力が強めのセッティングがされているので、特にロックフィッシュやフラットフィッシュがハマりそうですね。
このロッドで青物を狙う場合は、サーフや防波堤からの釣りが主戦場になります。ロックショア(地磯)は根が荒いところが多く、このロッドくらいのパワーだと魚に走られることが前提になるので、根ズレによるラインブレイクのリスクがグッと増します。一方で特にサーフは、多くの場合、根があまり入っていないため、根ズレすることがほとんどありません。根ズレがなければ、適切なドラグセッティングをしていればラインブレイクすることはありませんので、そこそこの大きさの青物が掛かっても戦えます。
というわけで、このロッドはサーフを主戦場とした万能パックロッドとして運用すると幸せになれそうだなと感じる次第です。SLS向けを謳っているパックロッドは、現状「ランウェイSLS S90 mobile」のみとなりますので、この機会にゲットしておくのも良いでしょう。