各社が実売1万円台のエントリーロッドをラインナップするなかで、全体的に高級路線をいくロッドメーカー「アピア」。こういうメーカーはパックロッドを販売することは稀なのだが、なんと2016年に新発売された「Foojin’XXシリーズ」にパックロッドがラインナップされている。
SEA FARER 94MLX Portable
早速、どのようなロッドなのかを見てみよう。
①仕舞寸法
9.4フィートの4ピースなので、だいたい75cmくらいか。まだ明記されていないので憶測だが、均等に四分割して多少継ぎ目の長さが加わるのでこんなものだろう。
んー、ちょっと長いよね。ビジネストリップの寸暇に…ってあるけど、寸暇の為に持っていくには嵩張りすぎな気がする。反面、電車やチャリ釣行には、ロッドをカバンに納めないのであれば持っていきやすい仕舞寸法である。
②仕様
ブランクは最新のナノレジンを使用した素材に、最新の製法で作られている(東レのナノアロイとは明記されていないが)。また、ガイドはチタンフレームにSICリングが使われている。値段がそれなりに高いので最新のトルザイトリングを使ってほしかった。
とはいえ、この仕様なので性能はまず問題がないだろう。パックロッドでありながら、最新技術が堪能できる仕様となっている。
③得意とするシチュエーション
推奨ルアーウェイトはスペック表によると7~35gとなっている。9.4フィートというレングス、適応ルアーウェイトから察するに、河口や河川、サーフ、開けた港湾部など、幅広いフィールドで使えるようになっている。反面、湾奥のように、アキュラシー性が求められるような場所では厳しいが、シーバス用パックロッドとしては正しい方向性であると思う。湾奥くらいのフィールドであれば、バス用パックロッドをある程度流用できるが、大場所にはやっぱりシーバス用のしっかりとしたロッドを使いたい。そして、それに対応できるパックロッドは現行もモデルを見渡しても、それほど多くない。9フィート以上でMLパワーというと、メジャークラフトの「クロステージ」かダイワの「ソルティストMBSB」くらいしかない。
こんな人に薦めたい!
正直言って、高い。高級ロッドの分類であるが、パックロッドである。パックロッドと言えばサブロッドとして用いることが多く、総じて高級パックロッドは売れない傾向にある。高級ゆえに破損がないことなど信頼できるとして、例えば海外遠征に持っていくとしても長い仕舞寸法が邪魔をする。出張に持っていくにしても、まずカバンに収まらない長さであり、仕事をしに行っているのに堂々と釣り竿を持っていくのも、ちょっと気が引ける(同僚などからの目線的な意味で)。そうなってくると、やっぱり自転車や電車による釣行がメインの方で、本格的なロッドが欲しかった人、やりこんでいる人あたりがターゲットになるのかなと。普段からパックロッドをメインで使ってシーバスを狙っている人にとっては、結構いいんじゃないかなと思う。パックロッドばかり使っていると、ハイエンドモデルに選択肢がないうえに、前述の通りロングレングスでパワーを持ったものはそんなにない。そういった意味では手薄なところを埋めてくれるロッドと言える。
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