荒川(川口・戸田エリア)の手長エビ釣り。泥抜きなしでも美味しく食べられますよ。
初夏の風物詩になってもいいんじゃないかと思う手長エビ釣り。身近で手軽にできる釣りとしてジワジワと人気が高まっているように思います。
食べて美味しいし、ファミリーフィッシングのターゲットとしても最適です。この記事では、自分なりに試行錯誤して得たノウハウをまとめました。
2021シーズン開幕しました。詳しくは下記記事より。
昼2時間で10匹(竿1本)
バス釣りで前々から目をつけていたところで、手長エビ釣りの絶好のポイントだろうと思っていたところに行きました。
しかも、ほぼソコリ(潮位が1番低い状態)の上げはじめで、曇天という絶好のロケーション。風が強いのがちょっとやりにくかったですが、ほぼボウズは考えられないような状態でした。
開始10分で早速反応あり。
風の影響で水面が波立って見にくかったですが、手長エビがエッサホイサとエサを巣穴まで運ぶ様が見えました。
これを無難にゲット!

約1年ぶりの手長エビです。
この後もコンスタントに反応が得られます。
この日、エサには釜上げしらすを使っていたのでエサ持ちが悪かったため、ハリ掛かりしにくかったり、エサだけ取られることが頻出しましたが、それでも2時間の釣行で10匹の手長エビに出会うことができました。

狭小住宅ですまないねぇ。
ポイントってやっぱり大事だね。
荒川の川口エリアで有名なのは赤羽岩淵の水門周辺です。
しかし、ここは人が多くてプレッシャーが高いです。足場は比較的良いので子連れにはおススメですが、釣果を求める場合にはほかのエリアをおススメします。
アジやイワシのような回遊魚ならとにかく、手長エビのような住処が決まっている系のターゲットはもろに人為的プレッシャーの影響をうけます。
端的な例でいうとカサゴやメバルのようなロックフィッシュ。この子たちは成長が遅いうえに定住性のある魚であるため、ルアーフィッシングのターゲットとして脚光をあびた後は目に見えて釣れにくくなりました。
やっぱり釣りすぎると少なくなるし、小さくなるという事実はあるんですよね。
手長エビ釣りのポイントとして押さえておきたいのはテトラやゴロタなどの固い系障害物があることです。そのうえで、底は砂泥質のところを探しましょう。
ボトムまでコンクリートにおおわれているところはダメです。昨年試したところ、チチブばかりが釣れました。

定番外道のチチブ。ウキが景気よく引き込まれるときは、だいたいこの魚の仕業です。
この条件を満たすところは荒川沿岸に無数にあります。

この日のポイント。崩れたテトラとゴロタ石の混ざった絶好のポイントです。
ただし、潮位が高いと手長エビの住処まで遠くなるため、反応が悪いです。潮位の低い時間を狙って釣行すれば、底が見えるくらいの水深でも釣ることができ、容易に反応が得られると思います。
手軽に釣れるからこそ、ポイント探しもはかどるし、手長エビ釣りの楽しみ方のひとつと言えるでしょう。

テトラの隙間は手長エビマンションでした。
それから、ひとくちにポイントといっても広域を指す場合とピンスポットを指す場合があります。
上の写真は、まさにピンスポットの一例です。
写真中央の赤い点がウキですが、このテトラの隙間からは連続して反応が得られ、2匹のテナガエビを釣ることができました。
こういうピンスポットもあるので、ひとつの場所にこだわらず、あっちこっち探してみることも重要です。
このピンスポットは障害物に囲まれていることもプラスですが、夜行性のテナガエビにとって暗いということも重要なファクターなのでしょう。
日光を遮ってくれるため、潜んでいるテナガエビも活発であったと推測します。
仕掛け
仕掛けはスタンダードな延竿に玉ウキとガンダマと手長エビ用の釣りバリです。
気を付けたいのはエサが底または底付近にまで届くように調整することです。手長エビは底や壁にひっついている生物なので、中層をブラブラさせていても届きません。
ちょっと面倒ですが、ポイントに合わせて玉ウキの場所を動かしてタナを調整しましょう。
なお、玉ウキは実は浮いている必要がありません。
浮いているセッティングならウキが沈んだら手長エビが少なくともエサをつかんでいるということなので分かりやすいというメリットはありますが、どちらかといえば目印の役割です。
例えば、下流側に流されていたウキが上流側に動いたとか、手長エビが食いついたときの不自然な挙動を見るためのものです。
そのため、ウキではなく目印として鳥の羽などを用いることもあります。
ウキを浮かせて用いると、水面が基準となってそこから釣りバリまでの距離がタナとなりますが、沈めて用いる場合は確実に底をとれるため、実は中層でエサがブランブランしていたなんていう機会損失を防ぐことができます。
ただし、目印となるウキが見えなくてはいけないので、水面近くにウキがくるように調整しましょう。
同じエリアのなかでも水深は様々です。
ウキを沈めて目印として使うスタイルの場合、こまめな調整を必要としないので手返しが良くなるというメリットがあります。
私の場合、浅いところで釣れるときはウキをウキらしく浮かべて使い、ちょっと深いところまでやりたいときはガンダマを足して沈めて使っています。
やっぱりウキがピョコンと引き込まれて止まる瞬間がたまらないっていうのはありますよね。合わせを入れるタイミングを計るのが楽しいです。
延竿の長さ
延竿の長さは短いものと長い物と両方にメリットがあります。
短いものは足元でも狙いやすく、特に潮位が低いときは足元のテトラの隙間を狙ったりとか、接近戦が多くなるので短い竿が使いやすいでしょう。
長いものは遠くのポイントまで射程圏内におさめられます。また、道糸を長くとれるため、深いところでも狙えるようになるのと、足場の高い釣り場で使いやすくなります。
一長一短ですが、1本だけというのなら2メートル前後のものがあれば、なにかと潰しが効くかなと思います。
複数本使う場合は、それぞれの長さをずらした方が色々と対応できていいですね。
おすすめのエサ
はっきり言って、すごく色々なもので釣れてくれる付き合いのいい奴です、テナガエビさんは。
王道は赤虫やサシなどの虫エサです。ハリ持ちもいいし、反応も抜群です。
しかしながら、釣具店でしか扱っていないという入手のしやすさに対するデメリットと保存がしにくいというデメリットがあります。
保存しにくいというのは、冷蔵庫に入れておく必要があるため、食品と一緒に虫を入れるという精神的な抵抗と家族の理解が必要になるってことです。保存自体は湿らせた新聞紙等にくるんでおくだけなので簡単なんですけどね。
私は食品と一緒にいれるのも抵抗があるし、虫がすごく苦手な妻の理解が得られるとも思っていませんのでこのエサは除外。
私のイチオシはエビのむき身、またはシラスです。
メリットとして入手のしやすさとして、スーパーに行けば簡単に手に入るという手軽さと、冷蔵庫に入れておいても問題なしという保存のしやすさがあります。
また、エビのむき身なら一匹分あれば小さくカットして使うので半日は持ちます。シラスなら、あの小さいシラスを1匹が1回分のエサになるので、同じく半日は持ちます。
食品として売られているものを使ったほうがコスパは良いです。
反応は虫エサには敵わないですが、十分に釣れます。今回の釣行で使ったのもシラスですしね。
また、王道のエサとしてカニカマがあります。
こちらはスーパーどころかコンビニでもけっこう売っているので、さらに入手しやすいですね。
カニカマとシラスの弱点としてハリ持ちが悪いことが上げられます。色々踏まえると、今のところエビのむき身が一番使いやすいかなと思っています。
実際に荒川で釣った手長エビを食べてみたよ。
手長エビはとにかく美味いと絶賛されている食材です。ところがネットで調べてみると泥抜きしないといけないとか、なんだか下処理が面倒くさそうな感じですよね。
わざわざ2-3日も生かして泥を吐かせるなんて作業、正直面倒でたまりません。
しかも途中で共喰いされたやつとか、死んじゃったやつを取り除くとか、まじでやってられません。
我が家は夫婦共働きの子育て真っ最中な家庭なんですから、釣った魚(エビ)に気を配っている余裕なんてねぇ!
というわけで泥抜きなしの実食に挑んでみました。
まず、持ち帰ってきたエビを料理酒に漬けます。生きているエビは暴れまくりますが、死んでしまったエビもいました。
本当なら生きている状態が良いのでしょうが、活かして持って帰ってくるのも割と大変ですし、死んでいる状態で処理しても美味しく食べられるのかという実験も含んでいるので好都合です。
漬ける時間は30分くらいってことでしたが、泥抜きをしていないので長めに40分漬けこんでみました。
次に料理酒を捨てて、粗塩をふってエビの体を洗います。あんまりガシガシやると特徴でもあるなが~い手がとれちゃいそうなので、優しく、しかし確実に洗ってあげます。
続いて、エビさんのお口から爪楊枝を入れてホジホジします。
これは泥くさい臭いや味の原因である胃袋を除去するための作業です。ホジホジして黒っぽい塊である胃袋を取ってしまいましょう。
ここまで処理すればあとは揚げるだけです。
私は夕飯まで時間があったため、3時間ほど冷蔵庫で保管しました。
夕飯前、冷蔵庫から取り出して片栗粉をまぶして油で揚げます。ただ、このエビを揚げるためだけに大量の油を使うのは、後の処理も含めて気が引けたので、小さめのフライパンに多めの油を敷いて、揚げ焼きのような感じにしました。
それでできたのがこちら。過程の写真はゆくゆく撮影していきたいと思います。

テナガエビの外観を活かすために、手は伸ばした状態で揚げるのがいいね。
気になるのは泥抜きを省いているため、泥臭くなく食べられるかという点です。
結果・・・
めちゃくちゃ美味い(^^♪
以下、この日食べていただいた皆さんからのコメントです。
長男(7才)「うまい」(魚介類大好き)
次男(5才)「うまっ!」(食いしん坊)
妻(年齢秘密)「なにこれ!?バリうまいやん!」(関西出身)
結論、泥抜きをしなくてもきちんとした処理をすれば美味しく食べられる。
やっぱりどんなに美味しくても処理に手間が掛かってしまえば、それだけで価値は下がります。ましてや日を跨いでの作業となれば、二の足を踏んでしまいますよね。
巷では「泥抜き必須!」みたいに言われていますけど、まったく問題ありませんでした。
皆様も手軽に釣れて食べておいしい手長エビフィッシングを楽しんでみてはどうでしょうか。次は子連れで行きたいと思います。